エンジニアリングマネジメントの参考になった本をまとめた
駆け出しエンジニアリングマネジャーとして1年半くらい経ったので、今まで読んで参考になった書籍をまとめてみた。
載せているリンクはすべて出版元または公式ページのもの。
エンジニアのためのマネジメントキャリアパス
定番中の定番と思われる青い本。
メンター、テックリード、チームリーダー、複数チームのリーダー...と章ごとに対象となるキャリアステージが上がっていくのが特徴的。とても読みやすく書かれているので体力を消耗せずに読める。
この本は仕事で変化があった時にはなるべく読み返すようにしていて、その度に学びがある。この先も手元に置いて読み返していきたい。
Team Geek
マネジメントに限定された本ではないけども、私のマネジメント方針や仕事のスタイルに大きく影響を与えているので挙げた。今の会社ではエンジニア職の推薦図書になっていて、新入社員には必ず配られている。
端的に言うと『最も重要な素養は人間性である』を実例を踏まえて説いている本なのだけど、開発者として経験を積むほどに書かれていることに納得感が増す。人間性は本当に大事。
マネジャーを志すかどうかに関わらず、チームで働く開発者にとって有益な本だと思う。
米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方
指示待ち隊員ばかりで成績どん底だった潜水艦部隊を、『委ねるリーダーシップ』で主体性溢れる組織に改革させた艦長の話。
部下それぞれが次の行動を自ら考えて艦長に宣言し、艦長は承認するのみで命令はしない。
「艦長!今から○○をします!」
「よろしい」
この『委ねるリーダーシップ』はサーバント・リーダーシップの一種であって、各メンバが専門分野や担当の案件を持っているソフトウェア開発の現場にも適用できる。自律したチームを作っていく上で大いに参考になった。
エラスティックリーダーシップ
マネジメントの型のようなものがなんとなく自分の中にでき始めた頃に読んだ本で、「状況に応じて型を変えていかないといかんよ」を説いている。
事業状況の変化ももちろんだが、メンバの成熟度や人員構成によってマネジメントスタイルを合わせていく必要性を教えてくれた。言うは易し行うは難しであまり実践できている実感はないものの、読んで良かったので挙げておく。
ザ・コーチ 最高の自分に気づく本
ストーリー仕立てでコーチングや目標設定について学べる本。とても心温まる話で読み物としてもお気に入りの一冊。
マネージャーになって初めてメンバの目標設定や評価面談を任されたけど、まあ難しい。面談を通じて適切にメンバをサポートするには目標やゴール設定についての考えをしっかり持つことが重要で、本書はそれを教えてくれた。
ベストセラーの『嫌われる勇気』と同じで、メンターとメンティーの対話形式で話が進んでいくので理解しやすい。また、作中のメンター(老紳士大蔵さん)の立ち居振舞いが良きリーダーのコーチングそのもので実に勉強になる。
リーダーのためのフィードバックスキル
1冊まるまる使ってフィードバックを掘り下げている特化型の書籍。
フィードバックを『期末の評価面談で評価と理由を伝えるもの』くらいにしか考えていなかった自分を恥ずかしく思うほどに、様々なフィードバック手法が実例を添えて紹介されている。
本書を読んでから、フィードバックをメンバの成長速度やチームの成果向上のためのツールとして考えられるようになった。
チームトポロジー
Twitterの観測範囲にいるエンジニアリングマネジャーの方々が口を揃えて「読んだ」「ためになった」と言っていた本。
チームのタイプ分類する考え方はよく見かけるが、チーム間のインタラクションもタイプ分けする考え方は初めてだった。実際に自分のチームに当てはめて考えると、確かにチームの成熟度によって他チームとのインタラクションを変えたほうがよいケースが多いことに気付いた。
本書は感想を個別で記事にしてある。
チームジャーニー
ベンチャー企業の開発現場を舞台に、チームマネジメントの様々なプラクティスを学べる本。
出てくる課題がどれも現場感に溢れていてとにかくリアル。
「あ、これうちのチームじゃん」と何度思ったことか。
結構胸アツなストーリーで、前作のカイゼン・ジャーニーを読んでいるとなお楽しめる。
その他
他にもいくつか。
自分は比較的本に影響されやすいタイプなので、これらの本に書いてあることを受け売りで真似したり喋ったりをよくしている。数冊読んだ上でいいとこ取りを繰り返すことで自分のスタイルが完成する気がしているので、今後も色々な本から知を吸収していきたい。